自分の性根は英雄などとは程遠い。卑しい女の腹から産まれ、この年になるまで死ぬこともせずあらゆるものから逃げてひっそりと生きてきた。
それがどういうわけだ。私を虜にするあの赤い星が、女神に纏う番犬が、私をこんな遠くまで歩ませた。私の目的はただあの犬の正体を、五年前の真実を追うことだ。私はあくまで利己的で、他人などどうでもいい。仲間になったと思ったかお人好しどもめ。私にそんなつもりはないさ。使えるものは使うだけ。
だから、だから止めてくれ。
私の命などなんの価値もあるまいに。その尊き生を放り出して救う価値などあるまいに。
ああ、いや、そうだ。
生かさねば。
これが己に課せられた役目なのだ。
私に託された私より若く、弱く、貴い命を守るのが、救われた私のやるべきことなのだ。
イシュガルドに向かう道中の心境